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(トラブルを起こさない為の不動産購入)

 

○重要事項説明(35条)

重要事項説明がなぜ必要なのか

 民法の原則では、買主の責任で調査すべきとされていました。あらかじめ買主が物件を自分の目で見て、買うかどうか、代金の減額交渉をするかどうか判断しなさいというわけです。しかし、取引物件が多様化し、製造技術も高度化するに伴い、民法の原則をそのまま適用しますと、専門知識に乏しい一般の消費者の保護に欠けることになります。

 例えば更地の売買において、買主が建ペイ率や容積率の制限並びに用途地域の制限を知らないで、100坪の土地を契約したとしましょう。この場合、買主が建ペイ率60%、容積率200%の建物(1階・2階がそれぞれ60坪あり、3階・4階がそれぞれ30坪の合計200坪の4階建てのテナントビル)を建てる予定であったとしても、実際の建ペイ率、容積率の制限がそれぞれ40%、60%の第一種低層住居専用地域と定められていますと、買主は予定されていた建物を建てる事がまったくできません。

 このような事情から、宅地建物取引業法(以下「業法」といいます)では、第35条で、宅地建物取引業者に対して、契約成立までの間に、顧客に物件に関する事項や取引条件などの一定の重要事項を説明することを義務づけたのです。

業者は、宅地建物の取引の相手又は依頼者に対し、その者が取得し、又は借りようとしている宅地・建物に関し、契約(売買・賃貸等ならびにその媒介・代理)の成立するまでの間取引主任者をして、説明すべき重要事項を書面に記載をし交付をして説明させなければならない。

 重要事項については『相手方の購入者等に意思決定に重大な影響を及ぼすと考えられる事項』について説明を省略したり(交付も説明もしない業者がいるらしい)、実態的に契約と同じに重要事項説明の受領について『法的に押印していただく必要があります。』というように十分な説明と理解を得ることなく契約に持ち込む業者がおり、紛争を多くしていると言っても過言ではありません。((社)北海道宅地建物取引協会・不動産近代化委員会資料一部抜粋)

 

 ※下記の場合、業者は取引主任者をして、説明させ、書面を交付しなければならない場合です。

業者の立場 説明の相手方
売主 買主となろうとする者
交換の当事者 取得しようとする者
売買の代理 買主となろうとする者
交換の代理 取得しようとする者
賃貸人の代理 借主となろうとする者
売買の媒介(仲介) 買主となろうとする者

交換の媒介の場合

取得しようとする者

賃貸の媒介の場合 借主となろうとする者

 

重要事項説明はここをチェックしよう。

@重要事項説明は必ず契約前に行なわれるものですが、実際には契約日と同じ日に行なうケースが多いと思われます。できれば契約日の何日か前に説明をしてもらうのが望ましいのですが、時間的に無理であれば重要事項説明書のコピーを事前に送ってもらい、目を通しておきましょう。

A宅地建物取引主任者証を提示してもらい、説明する人が本人であるか確認しよう。

B取引の態様は売主なのか・代理人なのか・仲介業者(媒介業者)なのか確認しよう。業者が売主の場合は手数料は無料ですが、代理や仲介の場合は手数料がかかります。

C不動産の表示で取引形態が1公簿取引売買(登記簿での面積)なのか・2実測取引売買(実測での面積)なのか、その旨を契約書並びに重要事項説明書にも必ず明記してもらいましょう。

D登記簿に記載された事項で登記名義人の住所氏名は登記簿謄本(写し)と一致しているか確認しよう。※注意 登記簿の名義人と実際の所有者が違う場合がありますので、実際の所有者を確認すること。例えば○○不動産が名義変更(所有権移転登記)をしないで(業者語では中間省略という)、「当社が売主です」という場合があり、登記簿記載の名義人とのつながり(証拠書類)売買契約等を確認しましょう。

E法令に基づく制限都市計画法で、区域区分が都市計画区域(市街化区域・市街化調整区域・未線引き区域)なのか・都市計画区域外なのか、確認しよう。

F法令に基づく制限建築基準法で、用途地域が指定されているのか(第一種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域等12項目)、指定のない区域なのか、建ペイ率や容積率も合わせて必ず確認しよう。用途地域によって建てられる建物、建てられない建物があります。

G法令に基づく制限建築基準法で、敷地と道路の関係で、敷地の前面の道路が公道なのか・私道なのか、道路が敷地に何メートル接しているのか、道路幅は何メートルなのか、必ず確認しよう。私道の場合は、建物が建てられるのかどうか、必ず確認すること。(念の為に市町村の建築課などに確認すると良い)※ここは重要

Hその他の法令に基づく制限は、たくさんありますが北海道(釧路近郊)では、特に農地法・森林法・国土利用計画法・宅地造等成規制法・自然公園法等の規制を受ける区域や面積に該当する物件が多いので確認しましょう。

I飲用水・電気等の供給施設及び排水設備状況では、飲用水・電気・下水(汚水・雑排水)などの供給施設がすぐに利用できるのか、それとも整備されていないのか等を確認しましょう。飲用水などは敷地の前面道路等にあるのかそれは公営・私営・井戸なのか、又は利用するのに自己負担があるのか等によっては、土地代がいくら安くても多額の費用がかかる場合がありますので注意しましょう。また、電気も同じことが言えます。下水は市街地の場合のみ整備されていると言っても過言ではありませんので、個別の浄化槽を設置したり、又は汲み取り式、浸透式などの整備を別途費用で行なうことが多いようです。別件ですが温泉についても同じことがありますので十分に注意をして確認しましょう。

J代金以外に授受される金銭では、所有権移転登記費用や固定資産税等の精算金・媒介手数料(仲介手数料)などの金額はいくらなのかを確認しておきましょう。

K契約解除に関する事項は、契約書を参照と記載されていることが多いですが、万一契約を解除するとき、どんな手続きをするのか・どんな効果が発生するのかなどを確認しておきましょう。例(北海道宅地建物取引協会制定)契約書の条項では手付解除等の項目で、『売主は、買主に受領済みの手付金の倍額を支払い、一方、買主は売主に支払済みの手付金を放棄して、それぞれにこの契約を解除することができる。』と記載されています。また、解除できる時期や損害賠償なども事前に取り決めできますので、ここで確認をしておくべきでしょう。

 

 上記は最低限度の「土地の売買に関する重要事項説明」を記載したものです。中古住宅や建売住宅等では、記載しなければならない事項(定型)もあります。

 宅地建物取引業者は、業務を処理するにあたり誠実義務を負い(業法31条)、その具体的な内容の一つとして「重要な事項」の不告知・不実告知を一般的・概括的に禁止しているわけですが(業法47条1項)、さらに契約内容の重要事項を定型化(最小限)して記載し、事前の説明を義務づけしているのです(業法35条)。これを怠ると業者は懲役又は罰金が課せられることになる(業法80条)。だが実際には不動産取引に対する苦情・紛争が起きており、行政指導を受けている業者や裁判まで発展している業者もおります。不動産実務のプロとして大変恥ずかしいことですが、これが現実です。しかし、すべてがこのような業者ではなく、ほんの一部の業者であることをここで付け加えておきます。

 重要事項説明は必ず受け、書類を交付してもらうことをお勧め致します。後日トラブルにならないための書類です。しかし、万一紛争になった場合にも必ず必要になる書類でもあります。

 

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